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文字起こしのコツ

文字起こしで社名・人名・専門用語を間違えるときの対策|用語辞書の作り方

議事録の文字起こしは読めるのに、取引先の社名や製品名、参加者の名前だけが毎回おかしい。その手直しに時間を取られている方に向けて、誤変換が起きる理由と、用語辞書の作り方をまとめました。

更新日:2026年9月29日 ・ 開発者 Toshio Okamura

結論:音声認識は、聞き慣れない言葉を「音の近い、よく使われる言葉」に置き換えがちです。社名・人名・製品名はその代表なので、正しい表記と、よく出る間違い方を事前に辞書で教えておくのが効果的です。

VoiceScribeでは、設定 →「録音と文字起こし」→「用語辞書」から300語まで登録できます。登録した後の録音と、再生成から反映されます。

固有名詞を間違える理由

音声認識は、聞こえた音に対して「この言語でよく使われる言葉の並び」の中から、いちばんありそうな文字列を選んでいると考えられます。ふだんの会話によく出る言葉ほど、正しく選ばれやすくなります。

反対に、自社の製品名や取引先の社名、新しいサービス名は、音声認識にとって初めて聞く言葉です。そのため次のような誤りが起きやすくなります。

話し手の滑舌やマイクの問題に見えても、実際は「その言葉を知らない」ことが原因の場合があります。だからこそ、言葉を事前に教えておくやり方が役に立ちます。

実際に起きた誤りと、辞書への登録例

日本の担当者2人と米国の担当者1人による、英語と日本語が混ざる打ち合わせのデモ音声を、辞書を登録していない状態で文字起こしした例です。製品名「LuminaNote」が「Lum ina Note」と分かれて書き起こされています。

用語辞書を登録する前の文字起こし画面。製品名LuminaNoteがLum ina Noteと分かれて書き起こされている
辞書登録前の例。「Lum ina Note」と分かれている(VoiceScribe 1.11.14)

同じ録音では、次の誤りも起きました。

話した内容文字起こしの結果正しい表記よく間違えられる表記
LuminaNote(製品名)Lum ina NoteLuminaNoteLum ina Note、Lumina Note、ルミナノート
Emily(人名)Em ilyEmilyEm ily
田中さん(英語の発言の中で)Tan aka sanTanakaTan aka

検証条件:iPhone、VoiceScribe 1.11.14、2言語(英語+日本語)、2026年9月28日。AIの合成音声で作ったデモ音声で、1回の試行の結果です。音質や話し方によって変わります。

ポイントは3つです。

同じ録音の中でも「Emily」が正しく出る箇所と、「Em ily」と分かれる箇所がありました。誤りは毎回同じ形とは限りません。辞書に入れても直らない箇所は残り得ます。

このデモ音声と、ほかの誤りの例は英語と日本語が混ざる会議を文字起こしする方法で紹介しています。

辞書に入れる語、入れないほうがいい語

優先して入れる語

手直しの回数が多い順に入れると、少ない語数でも効果を感じやすくなります。

  1. 自社名・取引先の社名:議事録の冒頭や決定事項に何度も出ます。
  2. 製品名・サービス名・プロジェクト名:新しい名前ほど誤りやすい言葉です。
  3. 参加者の人名:同じ読みで漢字が違う名前は、特に登録しておきます。
  4. 社内の略語:「KPI = ケーピーアイ」のように、英字とカタカナのどちらにそろえるかを決めて登録します。
  5. 業界の専門用語:一般の会話にあまり出てこない言葉を中心に入れます。

表記ゆれをそろえる

入れないほうがいい語

VoiceScribeでは、別名に書いた表記は、文字起こしの中で見つかるたびに正しい表記へ置き換わります。便利な反面、登録の仕方によっては関係のない箇所まで変わってしまいます。

正しい表記だけを登録した語は、文字起こしの置き換えには使われませんが、要約とタイトルを作るAIに伝わります。AIは、音の似た不自然な語が文脈に合うときだけ正しい表記に直すよう指示されています。普通の言葉と紛らわしい語は、この形で登録するのが安全です。

300語以内で作る辞書の設計例

VoiceScribeの用語辞書は300語まで、1語につき別名を10個まで登録できます。部署で1つの辞書を使う場合の配分の例です。

区分目安入れるもの
常設約50語自社名、部署名、主要な製品名、社内の略語
今の案件約100語進行中のプロジェクト名、取引先の社名と担当者名
参加者約100語定例に出る人の名前(同じ読みで漢字が違う人を優先)
予備約50語議事録を直すたびに見つかった新しい誤り

案件が終わったら、その案件の語を削除して入れ替えます。入れ替えには次の機能が使えます。

まとめて登録した語は、今の辞書に追加されます。合計が300語を超えた分は取り込まれないため、先に古い案件の語を消しておきます。

ほかのアプリの登録数

サービス用語辞書(カスタム語彙)
VoiceScribe300語
Notta200語
Otter.ai100語Proプラン
LINE WORKS AiNoteあり
AutoMemo—

— 公式情報で確認できなかったもの。2026年9月26日確認。内容は変わることがあります。
出典:Notta ・ AutoMemo ・ LINE WORKS AiNote ・ Otter.ai

VoiceScribeでの登録手順と反映のタイミング

  1. 画面下の「設定」タブを開きます。
  2. 「録音と文字起こし」の中の「用語辞書」をタップします。
  3. 右上の「追加」をタップします。
  4. 「正しい表記(議事録に出したい形)」に、議事録に残したい表記を入れます。
  5. 必要なら「よく間違えられる表記」に、実際に出た誤りを「、」で区切って入れ、「保存」をタップします。

登録した語は、次のように使われます。

使われ方内容対象
文字起こしの置き換え文字起こしが終わった後、「よく間違えられる表記」を正しい表記に置き換えます全プラン
要約とタイトル正しい表記の一覧を、要約とタイトルを作るAIに伝えます全プラン
音声認識へのヒント正しい表記を、聞き取りの手がかりとして音声認識に伝えます有料プラン

反映のタイミング

辞書が使われるのは、登録した後の録音と、再生成からです。登録しただけでは、すでにある文字起こしは変わりません。

過去の録音に反映したいときは、録音を開いて「文字起こし」タブの「🔄 再生成」をタップします。文字起こしを作り直し、要約も作り直されます。要約タブの「AI再生成」で要約だけを作り直した場合、登録した語は要約を作るAIに伝わりますが、文字起こし本文の置き換えは行われません。

録音から数日たった文字起こしを再生成すると、端末の音声を送り直すため、その分が利用時間に加算されます。録音した端末に音声が無い場合は、再生成できないことがあります。

辞書は、同期している端末どうしで共通です。iPhoneで登録した語を、iPadでもそのまま使えます。

辞書で直らないこと・向かない場面

社名・人名の手直しを、用語辞書で減らす

VoiceScribeは毎月3時間まで無料。用語辞書は300語まで登録でき、無料プランでも文字起こしの置き換えと要約に使われます。

App Storeで無料ダウンロード

よくある質問

無料プランでも用語辞書は使えますか?

使えます。文字起こしの置き換えと、要約・タイトルへの反映は全プラン共通です。音声認識へのヒントとして伝える機能は、有料プランで使われます。

登録する前に録音した会議にも反映できますか?

できます。録音を開き、「文字起こし」タブの「🔄 再生成」から文字起こしを作り直すと、辞書が使われます。要約も作り直されます。録音から数日たっている場合は、利用時間に加算されます。

iPhoneとiPadで同じ辞書を使えますか?

使えます。設定の「同期コード」で端末を同期すると、録音の一覧や文字起こしと一緒に、用語辞書も共有されます。「すべて削除」をすると、同期している他の端末からも消えるのでご注意ください。

会議ボットで録音した会議にも使われますか?

使われます。Teams・Google Meetに会議ボットを呼んだ時点の辞書で、文字起こしと要約が作られます。