結論:「発言ごとに言語を判別して、その言語のまま書き起こす」仕組み(コードスイッチング対応)のツールを使います。言語を1つに固定すると、もう一方の言語が当て字や意味の通らない文になりやすいためです。
VoiceScribeなら、録音前に言語を「2言語」にするだけで、英語は英語、日本語は日本語のまま文字にします。
ふつうの文字起こしで崩れる理由
多くの文字起こしツールは、録音の前に「日本語」「英語」のように言語を1つ選びます。音声認識はその言語の単語の中から、いちばん近いものを当てはめて文字にします。
そのため日本語を選んだまま英語の発言を聞かせると、英語がカタカナの当て字や、音が似ているだけの日本語になりがちです。反対に英語を選ぶと、日本語の発言がローマ字の羅列や意味の通らない英文になります。
「あとで翻訳すればいい」と考えがちですが、元の発言が崩れていると翻訳も要約も崩れます。まずは話されたとおりの言語で正しく文字にすることが出発点です。
話したとおりに残す3つの方法
1. 言語を自動で切り替えるツールを使う(おすすめ)
発言ごと、場合によっては文の途中でも言語を判別し、それぞれの言語のまま書き起こす方式です。英語で質問して日本語で答える、日本語の説明に英語の固有名詞が混ざる、といった会話にそのまま対応できます。
2. 言語ごとに2回文字起こしする
同じ録音を日本語と英語で1回ずつ文字起こしし、正しいほうをつなぎ合わせる方法です。専用のツールがなくてもできますが、時間が倍かかり、手作業のつなぎ合わせが必要です。
3. 会議の進め方を分ける
前半は日本語、後半は英語のように言語ごとに時間を分け、区切りごとに録音し直す方法です。会議の自然な流れを止めてしまうため、社外の人がいる場では現実的ではありません。
VoiceScribeでの手順
- アプリのホーム画面で、言語の中から「🔀 2言語」を選びます。
- 英語と組み合わせる言語を選びます(最初は日本語になっています)。
- 青い録音ボタンを押して会議を録音し、終わったら停止します。
- 文字起こし・話者の区別・要約が自動で作られます。文字起こしは話された言語のまま、要約は日本語です。
録音済みの音声ファイルを取り込む場合も、取り込むときに「2言語」を選べば同じように処理されます。
精度を上げる5つのコツ
1. 社名・人名・製品名を用語辞書に登録する
英日ミックスの会議でいちばん崩れやすいのは、固有名詞です。たとえば「LuminaNote」という製品名は、英語として聞くと「Lum ina Note」のように分かれてしまうことがあります。VoiceScribeの用語辞書(最大300語)に正しい表記を登録しておくと、文字起こしの中で自動で直り、要約にも反映されます。
2. 短い相づちの言語切り替えは期待しすぎない
「Yes」「なるほど」のような短い発言や、1つの文の中で何度も言語が入れ替わる話し方は、判別の手がかりが少なく精度が下がることがあります。大事な結論は、どちらかの言語で1文で言い切ると正確に残ります。
3. マイクを話し手の真ん中に置く
スマートフォンは机の中央、全員から同じくらいの距離に置きます。英語話者がオンラインで参加している場合は、スピーカーの音がマイクに届く位置にします。
4. 同時に話さない
声が重なると、言語の判別も話者の区別も難しくなります。通訳を挟む会議では、発言と通訳を交互にすると正確に残ります。
5. 要約の前提を書き足して再生成する
参加者の名前や会議の目的を入れて要約を作り直すと、英語の発言も踏まえた日本語の要約になりやすくなります。
デモ音声と実際の出力(間違えた箇所も)
日本の担当者2人(佐藤・田中)と、米国の担当者1人(エミリー)による海外展開の打ち合わせを想定したデモ音声です。英語と日本語が1文ごとに入れ替わり、同じ人が両方の言語を話す場面もあります。
この音声を、VoiceScribe の「2言語(英語+日本語)」で文字起こしした結果です。英語の発言は英語のまま、日本語の発言は日本語のまま、3人の話者に分かれて残りました。話者名(佐藤・エミリー・田中)も、会話の内容から自動で付いています。

一方で、次のような誤りもありました。多くは固有名詞と、英語の中の日本人の名前です。
| 話した内容 | 文字起こしの結果 | 直し方 |
|---|---|---|
| Lumina Note(製品名) | Lum ina Note | 用語辞書に「LuminaNote」を登録 |
| Emily, Tanaka-san says … | Em ily, Tan aka san says … | 用語辞書に人名を登録 |
| ten dollars a month | 10a month | 数字と単位は要約の前に目で確認 |
| November fifteenth | November 15 th | 意味は通じる。表記だけ手直し |
検証条件:iPhone、VoiceScribe 1.11.14、2言語(英語+日本語)、2026年9月28日。1回の試行の結果で、音質や話し方によって変わります。
日本語の発言(「英語版の翻訳が10月末までに終われば、11月15日には間に合います」など)と、英語の文としての意味は正しく残りました。固有名詞の誤りは、用語辞書に登録しておくと減らせます。
主なアプリの対応状況
iPhoneで使える主な文字起こしサービスについて、英語と日本語が混ざる会話を翻訳せずに書き起こせるかを、各社の公式情報で確認しました。
| サービス | 英日ミックスの書き起こし | 対応言語数 |
|---|---|---|
| VoiceScribe | ○(2言語モード) | 99言語 |
| Notta | ○23言語の組み合わせ | 58言語 |
| AutoMemo | — | 72言語 |
| LINE WORKS AiNote | — | — |
| Otter.ai | — | 6言語 |
○ 対応 / — 公式情報で確認できなかったもの。2026年9月26日確認。内容は変わることがあります。
出典:Notta ・ AutoMemo ・ LINE WORKS AiNote ・ Otter.ai
料金も含めた比較は、トップページの比較表にまとめています。
よくある質問
要約は何語で作られますか?
2言語モードでは、文字起こしは話された言語のまま残し、要約は日本語で作ります。
英語と日本語以外の組み合わせにも使えますか?
2言語モードは「英語+もう1つの言語」の組み合わせです。もう1つの言語は日本語のほか、中国語・韓国語などから選べます。
オンライン会議でも使えますか?
Teams・Google Meetの会議URLを貼ると、会議ボットが参加して録音し、同じように文字起こしします。主催者の許可が必要で、Zoomは準備中です。